東京都八王子市にある高尾山は、首都圏から気軽に行って日帰りで登山を楽しむことができる人気のスポットです。
この周辺は「明治の森高尾国定公園」となっており、東京都でも「都立高尾陣場自然公園」に指定されております。
高尾山はわりと低山で初心者でも登ることができ、四季の自然を堪能できることから、多くの方に親しまれ、カップルのデートにもよく利用されているようです。
かなり上の方までケーブルカーで行くこともでき、登山ではなく観光目的で楽しむこともできます。上の方にはBBQマウントやサル園もあって、子供でも遊べるスポットとなっております。
また、この山では天狗にまつわる伝説がいろいろと伝わっており、天狗の像や関連のおみやげも数多くあります。高尾山がどんなところなのかを紹介し、登山レポートで見どころなどを紹介したいと思います。
高尾山ってどんなところ?
高尾山はどのようなところなのでしょうか。山の特徴や歴史などを簡単に紹介したいと思います。
高尾山の標高は?
高尾山の標高は約599メートルです。低い山といっても下から徒歩で登山すれば、それなりにきついので、運動不足の方や高齢者には、それはあまりおすすめできません。
ケーブルカーやリフトを利用すれば、標高470メートル付近まで行くことができます。そこから頂上までは、ちょっときつい階段などはあったりしますが、カップルなどが気軽にデートで利用することも多いようです。
ちなみにケーブルカーの下の駅である高尾山清滝駅で、すでに標高は200メートルぐらいあります。
高尾山の歴史
高尾山の中腹には高尾山薬王院という寺院があります。この薬王院の正式名称は高尾山薬王院有喜寺(たかおさんやくおういんうきじ)といいます。
この寺院は744年(奈良時代)に行基(ぎょうき)という高僧によって開山されました。真言宗智山派のお寺としては、成田山新勝寺、川崎大師と並んで評される大本山です。
この行基ですが、歴史の授業で習ったのを覚えている方もいるかも知れません。行基は大仏で有名な奈良の東大寺建設でも活躍した人です。
高尾山の天狗伝説
高尾山では、ところどころで天狗の像に遭遇します。また、天狗にまつわるお土産も数多く売っております。なぜ天狗なのでしょうか?
それは高尾山には数々の天狗伝説があるからです。一例をあげると、夜中に山から斧で木を切るような音が聞こえてくるので、気になって夜が明けてその辺りを見に行くと、何事も起こっていなかったそうです。斧で木を切るような音がするのは天狗の仕業ではないかと言われるようになりました。
天狗といえば、この高尾山だけでなく、古来より山に住んでいると思われていたようです。歴史的な英雄の源義経(みなもとのよしつね)も鞍馬山に住んでいる天狗によって武術の修行を受けたという伝説がありますね。
天狗の特徴としては、その鼻の高さですが、鼻が高いといえば欧米系の外国人です。そのため、天狗は実は外国人なのではないかという説があります。とくにユダヤ人は鼻も高く、天狗が着ている山伏のような服装と同じような民族衣装があるといいます。
高尾山で登山届は必要?
登山といえば遭難した場合などに備えて、登山届を提出させられることがよくあります。
標高が低く、山頂までの道もかなり整備されている高尾山なのですが、侮ってはいけません。なんと救助隊の出動件数が年間100件を超えることもあります。いったいなぜなのでしょうか?
それは転倒による負傷や、暗くなって道がわからなくなってしまったなどが原因です。この高尾山では夜景などを見るために、あえて夜間登山をする方もいるようですが、人が非常に少なく、かなりの暗闇の中を進むことになるので、軽い気持ちで行くのは危険です。
また、高尾山は山頂を経由して他の山にいくことができますが、その場合は険しい道もあって初心者コースとは言えなくなります。
高尾山のリスクは遭難だけではありません。こんな人通りの多い場所にクマなんかいないと思うかもしれませんが、近年でも熊の目撃情報があったりします。
そういったこともあって、高尾警察署では登山計画書の提出を呼びかけております。登山計画書はこちらのページからPDFをダウンロードすることができます。
とはいうものの、届け出を提出しなくても高尾山は登山することができるので、山頂まで行って引き返してくるカップルなどが、この書類を提出しているかどうかは疑わしいところです。
登山届は高尾山の山頂にあるビジターセンターでも提出することができます。山頂を経由して他の山に行く場合は、必ず提出しましょう。
高尾山は世界遺産登録されている?
高尾山が世界遺産登録されていると聞いたことがある方がいるかも知れません。しかし、これは間違いで、世界遺産登録はされておりません。ではなぜこのような誤った情報が流れるのかというと、高尾山は日本遺産登録されているからです。
日本遺産というのは地域の歴史的魅力や特色をストーリーとして文化庁が認定するものです。八王子市が高尾山をテーマにしたストーリー「霊気満山 高尾山~人々の祈り が紡ぐ桑都物語~」を申請していましたが、2020年に日本遺産認定されました。
高尾山の登山レポート!見どころは?
それでは、高尾山登山のレポートをして見どころなどを紹介したいと思います。JRの高尾山口駅か山頂まで登山する予定です。
高尾山口駅
高尾山口駅の建物の中にはコインロッカーがあって、荷物を預けることができます。
駅には温泉も隣接しています。時間があったら帰りによっていこうと思います。
高尾山は登山して山頂に行くためにはいくつかのルートがありますが、今回は1号路を使います。1号路は薬王院の表参道であり、途中、ケーブルカーの駅(高尾山駅)を通過するので、売店やトイレも充実しています。
1号路は道もかなり舗装されていて、初心者にもおすすめのルートです。ただ初めに感想を言っておくと、高尾山駅までの道のりは勾配がきついところもあって、意外と楽ではないなと個人的には感じました。
高尾山清滝駅
高尾山口駅から数分歩くと、ケーブルカーとリフトの駅である高尾山清滝駅があります。なんで二種類の乗り物があるのか不思議な感じもしますが、リストのほうはカップルに人気のようです。
1号路登山口
1号路の登山口は清滝駅に向かって右の方にあります。
初めの方は勾配も緩やかだし、道も舗装されているので、苦もなく進むことができます。
分かれ道に来ました。どちらからでもケーブルカーのの駅にに行くことはできますが、金毘羅台という展望台を経由する右の道を選びました。
登山道らしい道になってきました。
金毘羅台
5分強歩いたでしょうか。展望台(金毘羅台)に到着しました。こちらは金毘羅台から景色となります。
金毘羅台には金毘羅社という小さな神社がありました。
ビアマウント
金毘羅台から20分ほど進むと、ビアマウントという建物が見えてきました。その名の通りビールがメインですが、お食事をとることもできます。
もちろん、これから頂上を目指す方は、飲んでいる場合ではありません。けっこう夜遅くまでやっているので、頂上に行って戻ってきてからでも十分利用することができます。
ビアマウントのすぐ近くにケーブルカーのりば(高尾山駅)があります。
サル園・野草園
ケーブルカー高尾山駅から少し歩いたところには「サル園・野草園」があります。
こちらはサル園の様子です。
野草園では、いろいろな野草とその説明書きを見ることができます。
たこ杉
サル園・野草園から山頂に向かって少し進むと、たこ杉(蛸杉)があります。
たこ杉は樹齢約450年の大杉です。薬王院の参道をつくるとき、この杉が邪魔だったので伐採しようとしたら、一晩立ったら後ろに移動していたという伝説があります。その根がタコの足のようなので、たこ杉と呼ばれるようになったそうです。
浄心門
たこ杉を過ぎると、なにやら門が見えてきました。浄心門と言って、この先から薬王院の境内となります。
男坂・女坂
浄心門をくぐって進むと分かれ道に遭遇します。左(男坂)に行くと階段があり、右(女坂)には坂があります。この後合流するので、どちらから行っても大丈夫です。
どう見ても坂のほうが楽そうでそちらに行きたくなりますが、考えることは皆同じようで左の階段に進む人は見当たりませんでした。
金ごまんだんご・黒ごまだんご
坂を越えると売店がありました。「金ごまんだんご・黒ごまだんご」で高尾山名物とあります。
ちょうど小腹が減っていたので、金ごまだんごを食べてみました。
薬王院
少し休憩して、再び進むと薬王院が見えてきました。ケーブルカーやリフトを使って薬王院に来るぐらいなら、特に登山用の装備は必要なく、町中を歩くのと同じそうな服装や靴でも問題ないと思います。
こちらが御本尊で、薬王院の中心的な建物です。1903年に建てられました。
山頂に行くには薬王院の中にある、この階段を登っていきます。山頂まで20分と書いております。
階段を登って山頂に向かっていくと、薬王院の本社があります。1729年に建立されたもので、建物の様式からもわかりますが、これは神社です。
薬王院は真言宗智山派の寺院なので敷地内に神社があるのは不思議ですが、このあたりは明治時代に実施された神仏分離の名残といえます。神仏分離というのは神道と仏教を分離させる政策のことをいいますが、それまでは神社と寺院の区別はあいまいで、共存しておりました。
山頂
山頂に向かって進んでいくと、なにか建物が見えてきましたが、これはトイレです。山頂まではもうすぐです。
ようやく山頂に来たようですが、広場があります。修学旅行なのでしょうか、学生さんがたくさんいました。
1号路の登山口から、山頂までの所要時間は2時間半弱かかりました。写真を取ったり、サル園などに寄ったので、それがなければ2時間弱程度だと思われます。
ケーブルカー近くのサル園から山頂までは1時間程度だったので、寄り道しないでケーブルカーを使えば、山頂まで1時間弱でいけると思います。
天気がいいと、高尾山の山頂からは富士山が見えます。この日は運良く、結構はっきりと富士山が見えました。
高尾山の山頂には売店やお食事処が充実しております。
せっかく来たので、山菜きのこ汁を飲んでみました。こんな感じです。高尾山で採取したものではないのでしょうが、山にいると山菜とかきのこになんとなく惹かれてしまいます。
吊り橋
さて、山頂で一息ついたので下山したいと思います。下山は吊り橋がある4号路を通っていきます。
吊り橋には渡ると結構揺れてスリリングなものもありますが、ここの吊り橋はしっかりとした作りで、とくに恐怖は感じませんでした。
ケーブルカー
4号路を使っての下りはケーブルカーの駅まで所要時間は40分程度でした。薬王堂などがある1号路もよかったですが、吊り橋があって自然を味わえる4号路はおすすめです。
帰りはケーブルカーを利用したいと思います。なかなかの急斜面ですが、高尾山駅付近はケーブルカーでは日本一の急勾配だそうです。
ケーブルカーの中の音声案内で、「天狗黒豆まんじゅう」の宣伝をしていたので、お土産として買ってみました。手土産No.1グランプリ最優秀賞受賞とあり、期待できそうです。
ケーブルカーの清滝駅付近では、蕎麦屋がいくつかあります。せっかくですので、とろろそばを食べてみました。
極楽湯
高尾山口駅のすぐ近くにある温泉「極楽湯」で、疲れを取ってから帰ろうと思います。
高尾山へのアクセス方法は?
高尾山の最寄り駅は京王高尾線「高尾山口駅」となります。新宿方面から行く場合は、中央本線で高尾駅まで行き、そこから京王高尾線に乗り換えて一駅です。
ケーブルカーの清滝駅は、高尾山口駅から徒歩で5分ほどの場所にあります。
まとめ
高尾山がどんなところなのかを紹介し、登山レポートをしてきましたがいかがでしたでしょうか。
高尾山は手頃な低山であり、半日もあれば十分に楽しむことができます。また、舗装を施設も充実しているため、登山に慣れていない方でも気軽にいけるスポットです。
茨木の筑波山などもそうなのですが、首都圏から日帰りでいける低山はかなり人気があって、休日などはかなり混む場合があります。
- 高尾山の標高は約599メートル。
- 高尾山薬王院は744年に行基によって開山。
- 行基は奈良の東大寺建設でも活躍。
- 高尾山には数々の天狗伝説がある。
- 世界遺産登録はされていないが、日本遺産に認定。
- 高尾山の最寄り駅は京王高尾線「高尾山口駅」。
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