千葉県松戸市にある長谷山本土寺は5万本の紫陽花が植えられており、あじさい寺としてしられております。この本土寺では紫陽花以外にも5千本の菖蒲があったり、春は桜、秋は紅葉も楽しむことができます。
本土寺の簡単な歴史や見どころなどについて紹介していきたいと思います。
本土寺ってどんなところ?
本土寺の創建は1277年(鎌倉時代)で、かなり歴史のある寺となります。創健者は日蓮の弟子である日朗聖人で、宗派は日蓮宗です。本土寺のある場所は元々は源氏の名門平賀家の屋敷跡だったと言われております。
ちなみにこの平賀家は日蓮大聖人の有名な3人の弟子を輩出しております。それは日朗聖人、日像聖人、日輪聖人のことですが、境内には日像聖人にまつわる井戸(乳出の御霊水の井戸)があります。
本土寺に重要文化財はある?
本土寺には「諸人御返事」「大学三郎御書」「梵鐘」といった重要文化財があります。「諸人御返事」「大学三郎御書」は日蓮大聖人の直筆と伝えらているものです。いずれも宝物殿に保管されておりますが、普段は一般公開されていないので、見ることはできません。
本土寺の見どころは?
それでは、長谷山本土寺の見どころについて紹介したいと思います。
下は境内案内図ですが、
「五重塔 → 本堂 → 秋山夫人墓 → 菖蒲池 → 弁天堂」
と進むのが順路となっております。
仁王門
本土寺の入口にある仁王門は、江戸時代初期(1650年頃)からある建築物です。見た目からは、それほどの古さは感じられないので、定期的に修繕されていると思われます。
仁王門の裏には、もみじの木が茂っております。本土寺は紅葉の名所でもあるそうですが、秋のシーズンには、この辺りは鮮やかな眺めになりそうです。ちなみに本土寺の紅葉見頃は例年だと11月下旬となります。
鐘楼堂
鐘楼堂(しょうろうどう)は受付を通ってすぐのところにあります。中には鐘がありますが、基本的に一般人がつくことはできません。ただし、大晦日には開放されて、一般人でも除夜の鐘をつくことができるそうです。
五重塔
本土寺の五重塔は平成3年に建築された比較的新しい建物で、高さは18メートルあります。
紫陽花とマッチしているこの場所は撮影のスポットになっているようで、多くの方が撮影しておりました。そのためか、階段を上がって五重塔の近くには行きにくい雰囲気があります。
本堂
本土寺の本堂は1651年(江戸時代初期)に建てられました。
秋山夫人の御墓
本堂から向かって右に少し進むと秋山夫人の御墓があります。秋山夫人といっても、誰なのかわからない方も多いかと思います。いったい、どのような人物なのでしょうか?
秋山夫人は15才で徳川家康の側室となりました。秋山夫人は甲斐の武田一族である秋山虎康の娘で、家康と間の子は武田信吉となります。
この墓は武田信吉の甥にあたる水戸光圀(みとみつくに)によって建てられました。水戸光圀は水戸黄門として知られる人物です。
ちなみに家康の側室は正確な数は知られていませんが、20人程度いたとも言われております。
紫陽花
秋山夫人の御墓の先には紫陽花がたくさん咲いているスペースがあります。例年ですと紫陽花の見頃は5月末から6月末にかけてとなります。
本土寺は紫陽花の名所であり、ここ以外でも至ることころで紫陽花を目にすることができます。この場所の他に順路の最後のほうにある受付とトイレの間も、紫陽花が多いスポットとなっております。
菖蒲池
本土寺で見られる花は紫陽花だけではありません。この菖蒲池には、無数の菖蒲が植えられており、花が咲いておりました。
近くにいた観光客のオジサンが、この花を見て「あやめが咲いてる!」といっていましたが、菖蒲の花はあやめと似ていますが少し違います。
こちらの写真はここにある花をアップしたものですが、中心に黄色い無地の模様があります。この模様があれば菖蒲の花となります。
これに対して、あやめの花は網目状の模様がついています。
宝物殿
菖蒲園に隣接しているちょっと不思議なシンボルがついている建物は宝物殿です。普段は一般公開されておりませんが、たまに特別公開されることがあるようです。
宝物殿の中には重要文化財に指定されている日蓮聖人が書いた「諸人御返事」「大学三郎御書」が保管されております。また1278年に作られた「梵鐘」は千葉県で二番目に古いもの、これも重要文化財にしてされており、宝物殿に保管されております。
乳出の御霊水
こちらの井戸から湧き出る「乳出の御霊水」は「日像菩薩誕生水」とも呼ばれております。
日像菩薩こと日像上人は日蓮大聖人の弟子であり、この地で誕生しました。彼が生まれた時、湧き出たのがこの井戸の水だと伝えられております。
水を汲み上げる装置はついていますが、一般人が飲むことはできません。この湧き水にはいろいろとご利益があると伝えられており、何とか飲んでみたいものです。
井戸の前には休憩所があり、菖蒲池を眺める絶景のスポットとなっております。
お願い地蔵
こちらは竹のほうきを持っているお茶目なお地蔵さんです。
お願い地蔵といって、左右の棚には小さなお願い地蔵がたくさん並んでおります。これは参拝者が願い事を書いて、置いていったものです。願い事を書くための小さいお地蔵さんは事務所で購入することができます。
弁天池・弁天堂
順路の終盤には池があります。弁天池と、池の中央に建っているのが弁天堂です。
弁天池の裏の方に行くと銭洗い弁天が祀られております。周りには小銭が散らばっていました。
銭洗い弁天のさらに先には滝があるのですが、立入禁止となっていて、うまく写真に納めることができませんでした。
おもうさん
あるときだれかがここに置いた像で、「おもうさん」と名付けられたそうです。宝物館に行く道を探していたところ、回廊の下で偶然発見しました。
こちらの宝物館へと続く赤い欄干の回廊の下の何処かにありますので、気になる方はぜひ「おもうさん」探してみてください。
トイレ
見どころというわけではありませんが、順路の最後の方にトイレがあります。拝観の所要時間は、1時間もあれば十分に見ることが可能です。ただ、時間に余裕がある方は菖蒲池などでゆっくりと休憩するのもよいでしょう。
本土寺のアクセス方法は?
電車でき場合の本土寺へのアクセス方法を説明します。
本土寺の最寄り駅はJR線北小金駅となります。北小金駅から本土寺にアクセスするにはイオンなどのある南口とは逆方向の北口から出ます。
北小金駅からほぼ北(正確にはやや北西)、600~700メートル離れた場所に本土寺があります。
北小金駅から小金北商店会の中を北に向かって200メートルほど歩くと、長谷山というかかれた石の標識が見えてきます。
あとは、この木に囲まれた参道をひたすら真っすぐ進みますと、本土寺の仁王門に行き着きます。
仁王門を超えて進んでいくと、受付があります。ここから先は有料となります。料金などについては、本土寺ホームページを確認してください。開門時間、閉門時間についても確認できます。
本土寺受付の近くには駐車場がありますが、スペースはそれほど広くありません。一般の観光客はここに車を停めることはできないようです。
一応、周辺には有料駐車場がいくつかありますが、北小金駅からそれほど遠くないので、基本的には電車と徒歩でアクセスするのがおすすめです。
本土寺周辺の見どころは?
本土寺周辺の見どころについても紹介しておきたいと思います。
大谷口歴史公園
本土寺から1キロ程度離れた場所にある大谷口歴史公園は、小金城跡です。黄金上は1537年(戦国時代)に築城されたもので、千葉氏の家臣だる高城氏の居城でした。建物は残っておりませんが、堀の跡などがあります。
また大谷口歴史公園は自然豊かで、静かな落ち着ける場所でもあります。ただ暖かい季節は蚊がかなりいるので、そのへんは十分に対策することをおすすめします。
まとめ
千葉県松戸市にある長谷山本土寺の見どころなどについて紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
本土寺では、春は桜、秋は紅葉を楽しむことができますが、なんといっても5万本の紫陽花は圧巻です。京都のお寺では拝観料を納めるのが当たり前ですが、関東のお寺では拝観料を収めた記憶はほとんどありません。
本土寺のこれほどの庭園を維持するのは当然、かなりの費用が必要になってくるはずであり、お金を払っても見る価値のある立派な庭園だと思います。観光客が支えて、末永く残ってほしい素晴らしい庭園といえます。
菖蒲池に咲いている花は「あやめ」のように見えますが、これは菖蒲の花でしたね。間違えないように注意してください。
コメント