京都では秋の紅葉シーズンには、夜間ライトアップされるお寺が多数ありますが、その中でも人気が高いのが清水寺でしょう。
清水寺の夜間拝観の見どころなどについて紹介していきます。清水寺は知っていても、その歴史的背景などはよくわからない方が多いと思うので、簡単な歴史についても述べたいと思います。
清水寺ライトアップの見どころは?
それでは、清水寺ライトアップの見どころについてレポートしていきます。
仁王門
仁王門は清水寺の正門で、重要文化財に指定されています。
いつ創建されたのかは不明ですが、1467年に始まった応仁の乱で焼失し、その後再建されました。見た目はかなり新しく見えますが、2003年に大規模修理を行っています。
西門
こちらは西門(さいもん)で、これも重要文化財に指定されています。創建時は不明ですが、現在のものは江戸時代の1631年に再建されたものです。
ライトアップでかなり強く光っていますが、この写真を家族に見せたら、家事が起こっているみたいと言われました。
随求堂の胎内巡り
随求堂(ずいぐどう)では胎内めぐりをすることができます。
胎内めぐりというのは、母の胎内を表している暗闇の中を進んで、うっすらと明るくなっている随求石を目指すものです。
はっきりいって、中は真っ暗で何も見えません。暗闇の中を進んでいくのは慣れない方にはかなり恐怖を感じることと思います。
入れるのは小学生からになっていますが、低学年以下の子供がひとりで行ったら、怖くて引き返したくなることでしょう。筆者も暗闇に入って最初は、「こんなのクリアできるのか?」と不安になりました。
新型コロナの状況次第で胎内めぐりはできなくなっているそうなので、興味のある方は事前に確認しておくことをおすすめします。
京都市街地の夜景
清水寺は高い場所にあるので、京都の市街地のほうを見てみると、夜景がとても綺麗です。
子安塔
清水寺の舞台で有名な本堂から見えるのは、子安塔(こやすとう)です。いつ創建されたのかは不明で、室町時代の1500年に再建された建物です。重要文化財に指定されております。
本堂
ちなみに本堂はこのとき工事中でした。写真の右の方に写っているのが本堂なのですが、工事用のシートがかぶさっております。
中央やや左に写っているのは京都タワーです。
こちらが工事前に撮った本堂のライトアップ写真です。
音羽の滝
音羽の滝とは、清水寺の寺名の由来となった滝です。滝から流れ出る「清水」は古来「金色水」「延命水」と呼ばれていました。
滝が3本に分かれていますが、正面から見て右端は「延命長寿」、真ん中は「恋愛成就」、左端は「学業成就」のご利益があるとされています。
紅葉のライトアップ
ここは本堂の下あたりで、左隅の方に少しだけ本堂の柱が写っていますが、紅葉のライトアップがとても綺麗でした。
舌切茶屋
夜間拝観も終盤に差し掛かってくると、茶屋が見えてきました。
この茶屋は舌切茶屋とちょっとおかしな名前の茶屋なのですが、安政の大獄で捕えられた近藤正慎という男が獄中で舌を噛み切って自害したことで、正慎の妻子が境内で茶屋を営業することを許可されたことに由来するそうです。
せっかくなので、舌切茶屋のあまざけを飲みながら休憩することにしました。茶色いお茶がついてきましたが、お茶通ではないので何茶かはわかりません。
三重塔
この三重塔は平安時代の847年の創建されたものであり、現在の建物は江戸時代の1632年に再建したものです。高さは約31メートルあります。
放生池
最後は水面に紅葉のライトアップが映る方生池です。ライトアップの写真は実際に見えるものと、かなり違ってしまいますが、実際は写真よりも、ずっといいです。
清水寺ってどんなところ?
清水寺を知らないという人は日本で生まれ育った人なら恐らくいないでしょうが、どういった歴史があるのかなどは、いがいと知らない方も多いと思います。
清水寺がどんなところなのか、その歴史的背景などを簡単に説明しておきたいと思います。
清水寺の始まりは?
一般的には清水寺で知られているこのお寺ですが、正式名称は音羽山清水寺(おんわさんきよみずでら)といいます。京都が都となったのは794年(鳴くよウグイス平安京)ですが、清水寺はそれより前からこの地に存在していた数少ない寺のひとつです。
時は奈良時代の778年、興福寺の僧でのちの延鎮上人(えんちんしょうにん)となる賢心(けんしん)は、行叡という滝行をして念じ続けている修行者にこの地で出会いました。そして、行叡は「あなたを待っていた。後は頼む。」と去っていきます。
旗から見ると無責任でいい加減な話に聞こえますが、賢心は行叡は観音の化身だと悟り、残していった霊木に千手観音像を刻み、行叡のいた庵に安置したというのが、清水寺の始まりといいます。
興福寺というのは奈良にあって五重塔で有名なお寺です。平安時代には、この寺は「北観音寺」と呼ばれ、枕草子や源氏物語にも登場します。
清水寺と関係ある歴史的人物は?
賢心とか行叡とかいっても、歴史的にそれほど有名ではないので、知らない方が多いのではないでしょうか。清水寺と関係のある歴史的な有名人物はいるのかについても知りたいと思います。
賢心がこの地に来て2年後の780年に、後の初代征夷大将軍となる坂上田村麻呂が、鹿を捕えようとしてこの地に訪れます。そこで修行していた賢心と出会うのですが、殺生の罪を説かれます。田村麻呂はそれに納得したのか観音を祀る本堂を寄進しました。
そして、五条大橋で戦ったと言われている牛若丸(源義経)と弁慶のですが、実はこの清水寺で戦ったという説があります。室町時代初期に書かれた「義経紀」によると、五條天神社で2人は戦い決着がつかず、次の日には清水寺で戦って決着がついたといいます。
現在の建物はいつだれが建てた?
歴史のある清水寺ですが、何度か消失してしまいます。現在の本堂は1633年の江戸時代に三代将軍、徳川家光によって再建されたものです。
また2017年より本堂が、50年に一度の大規模改修工事が行われていましたが、2020年3月に改修は無事終了しております。
清水寺へのアクセス方法は?
京都駅から清水寺へのアクセス方法には次のものがあります。
- 京都駅から徒歩40分
- バスで「清水道」または「五条坂」へ行き、そこから徒歩10分
- 京阪本線の「清水五条」で降車し、そこから徒歩20分
- タクシーを利用
タクシーで行く以外は、どの方法でもそこそこ歩くことになります。ただ、清水寺への参道もいろいろなお店があって、それなりに楽しいものです。
京都駅から清水寺までの距離は約3.5キロで、歩いていくには少し遠いかも知れません。ただ、その道程の途中には三十三間堂や豊国神社といった観光スポットもあるので、時間に余裕がある方はゆっくりと観光しながら、歩いていくのもよいかも知れません。
最寄りの駅は京阪本線「清水五条」ですが、そこから結構歩くので、電車で行くメリットは少ないでしょう。バスを利用する場合は、バス停「清水道」か「五条坂」で降車しますが、どちらでもそこから同じぐらいの時間(約10分)です。
どちらのバス停で降りたらいいのかよくわからないという方は、とりあえずは「清水道」でいいと思います。そこから清水坂へと向かっていき、坂を登っていきます。
まとめ
清水寺ライトアップの見どころや簡単な歴史などについて紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
清水寺では日本屈指とも言えるほど有名な観光スポットであり、昼間はもちろん混雑するのですが、夜間拝観の人気も、京都で1、2を争うほどです。
このときは大規模改修工事で本堂全貌のライトアップが見れなかったのが残念ですが、それも無事終了しております。
とにかく紅葉シーズンの夜の京都は至るところでライトアップが行われいて、どこに行こうか迷ってしまうかもしれません。そんなときは混雑さえ気にならなければ、とりあえずは清水寺でよいのではないでしょうか。
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