下鴨神社は上賀茂神社と並んで京都でも最も古い部類に入るパワースポットです。
下鴨神社には重要文化財が多く、君が代の出てくる「さざれ石」や源氏物語に出てくる「糺ノ森」もあります。
- いつ創建された?
- 創建したのはだれ?
- 御祭神は?
- 世界遺産登録されている?
このあたりの疑問について解説し、見どころなどについて紹介したいと思います。
下鴨神社ってどんなところ?
下鴨神社がどんなところなのか簡単に説明しておきたいと思います。
下鴨神社(しもがもじんじゃ)というのは実は正式の名称ではありません。この神社の正式名称は賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)といいます。
この神社は古い歴史のある神社であり、重要文化財が多数あります。
下鴨神社の創建はいつ?
下鴨神社は京都の社寺では最も古い部類に入るのは間違いないのですが、創建がいつなのかは残念なことに不詳です。
第10代の崇神天皇(すじんてんのう)の治世に修造したという記録があるので、このときはすでに創建されていたと考えられます。
問題はその崇神天皇の治世がいつなのかですが、それは諸説あります。紀元前という説もありますが、卑弥呼の時代の後にあたる3世紀から4世紀初めだったのではないかという見方が多いようです。
京都の建築物は平安京遷都(794年)の後にできたイメージがあるかも知れませんが、いずれにしてもそれよりは、下鴨神社の創建はかなり古いことは確かです。
創建時不明ということで、当然だれが創建したのかもわかっておりません。
下鴨神社の御祭神は?
下鴨神社の本殿は東西2つに分かれており、御祭神は次の2名となります。
- 賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと):西殿
- 玉依媛命(たまよりひめのみこと):東殿
賀茂建角身命は古代の京都をひらかれた神であり、玉依媛命はその娘です。ちなみに本殿は国宝に指定されております。
世界遺産登録されている?
下鴨神社はユネスコの世界文化遺産に「古都京都の文化財」の1つとして登録されております。そのためか、外国人観光客も多く来ていました。
神社の中で「世界文化遺産」の石碑を立てて、しっかりとアピールしていました。(下の写真参照)
下鴨神社の近辺にある上賀茂神社(かみがもじんじゃ)も有名ですが、この両社は賀茂氏の氏神を祀る神社であり、合わせて賀茂神社(かもじんじゃ)と総称されます。ちなみに上賀茂神社は賀茂別雷神社(かもわけいかづちじんじゃ)と呼ばれることもあります。
下鴨神社の見どころは?
それでは下鴨神社の見どころについて紹介していきたいと思います。
干支(えと)詣
下鴨神社の本殿の前には十二支を守る神様が祀られております。自分の生まれの干支(えと)に参拝するのが習わしのようです(下の写真参照)。
筆者は寅年(とらどし)なので、左側の真ん中にある大己貴神(おおなむちのかみ)となります。おやっ? 子年(ねずみどし)が大国主神(おおくにぬしのかみ)となっていますが、確か大己貴神は大国主神の別名だったはずです。
ちなみに古事記では丑年(うしどし)の大物主神(おおものぬしのかみ)は大国主神とともに国造りを行っていた神ですが、日本書紀においては大物主神は大国主神の別名とされております。この辺はややこしいくてわかりにくいですね。
つまり見方によっては十二支の中に同じ神が3人いるということです。大物主神というと三輪山を思い出します。
三輪山登山|狭井神社・御神水・山頂には大物主が鎮まる奥津磐座
十二支の神社は実際は、このような感じで小さな神社が並んでおります。工事中だったため、鉄パイプが建てられております。
下鴨神社の重要文化財は?
下鴨神社には重要文化財がたくさんあります。すべてを紹介するには多すぎますが、そのいくつかを紹介したいと思います。
中央にあるのが「舞殿」です。その名の通り、舞を舞うところでしょうか。
「橋殿」は御蔭祭(みかげまつり)のとき、御神宝(ごしんぽう)を奉安する御殿です。舞殿のほうが床が高いですが、かなり似た建物でした。
「神服殿(しんぷくでん)」は、かつては御神服を作る御殿でした。
「細殿(ほそどの)」は歌会、茶会等が行われる殿舎です。
楼門は(ろうもん)江戸時代の1628に作られました。
下鴨神社敷地内の南側にある、この楼門を通りぬけて進んでいくと、河合神社(かわいじんじゃ)があります。
重要文化財の一部を紹介しましたが、下鴨神社には他にも、たくさん重要文化財があります。
井上社(御手洗社)
下鴨神社では結婚式ができるそうです。御手洗池に隣接する井上社では新郎新婦が写真撮影をしていました。
さざれ石
楼門を出て河合神社に向かっていくと、間もなく「さざれ石」があります。君が代(日本国家)の歌詞に出てきますね。
ちなみに茨城県にある鹿島神宮(かしまじんぐう)にも「さざれ石」がありました。鹿島神宮で「さざれ石」を見たとき、この世に一つしかない石なのかと思っていましたが、そういうわけでもないみたいですね。
糺ノ森
楼門から河合神社までの道のりの森は「糺ノ森(ただすのもり)」といって、源氏物語にも登場する古くからある森だそうです。
この森の名前の由来は諸説あります。このあたりの地名が只洲だったこと、偽りを正す意味などに由来しているという説があり、定かではありません。
糺の森専用のホームページもあります。
河合神社
糺ノ森をしばらく進むと河合神社(かわいじんじゃ)の鳥居が見えてきました。この神社は下鴨神社の摂社となります。
河合神社の御祭神は玉依姫命(たまよりひめのみこと)で、神武天皇(初代天皇)の母です。女性の美の神様として信仰されており、また安産・育児・縁結びなどの神ともされております。女性におすすめの観光スポットということで、よく紹介されております。
神武天皇は初代天皇ですが、詳細については次の記事を参考にしてください。
神武天皇のミステリーを探る|橿原神宮・神武天皇御陵・等彌神社
摂社としては大規模ですが、河合神社の中はそれほど広くなく、敷地内はこのような感じになっております。
こちらの拝殿?の先に本殿があります。
河合神社は女性に人気の観光スポットのようですが、男性の方もけっこう来てました。
下鴨神社へのアクセス方法は?
下鴨神社の場所は京都駅の北「約6.5Km」の場所にあります。最寄りの駅は阪急川原町駅となります。
ここでは電車やバスで下鴨神社にアクセスする方法を3つ紹介したいと思います。
- 京都駅から市バスで下鴨神社前下車
- 京阪電車の出町柳駅から徒歩で約12分
- 阪急線京都河原町駅から徒歩で約5分
京都駅から行く場合は電車を利用すると乗り換えが何回か発生するので、市バスを利用するのがおすすめです。筆者は京都御所から歩いていきましたが、距離にすると約2.5キロ程度でした。途中に鴨川がありますが、景観が整備されていて景色を楽しむことができました。
まとめ
下鴨神社がどんなところなのか簡単に解説し、見どころなどについて紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
この神社は京都から少し離れていてアクセスはやや悪いですが、それでも人気の観光スポットとなっております。
この日は結婚式が行われていましたが、このような歴史があって格式の高い神社でウェディングをすれば、自分たちの結婚式がなんだかとても重要だという感覚を覚えれるかも知れませんね。
- 正式名称は賀茂御祖神社。
- 創建がいつなのかは不明。
- 創健者がだれなのかも不明。
- 3世紀後半にはすでに存在していたと考えられる。
- 本殿は東西2つに分かれて、それぞれ御祭神がある。
- 古都京都の文化財として世界遺産登録されている。
- 糺の森の名前の由来は諸説ある。
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